低身長の原因を分類してみると下の表のようになるのですが、数のうえではほとんどが1.の病的でない低身長です。このうち、親が小さいから子供も小さいということは遺伝子レベルで決まることでもありますので、何とも仕方がないことといえます。成長曲線にプロットしていくと成長曲線の下方のライン
に沿っている場合がほとんどです。
思春期には成長曲線のラインから大きくはずれていますが、最終的にはかなり追いついています。このように思春期が遅い場合は思春期には差が大きく開くのですが、最終的には追いつくことが少なくありません。なお、思春期が遅い場合、両親またはどちらかの親も思春期が遅かったという場合が少なくありません。
逆に病的なほどではないけれど、思春期が少し早いという場合は、他の人より早くクンダン背が伸びるのですが、早くに伸びが止まるために結果として低身長に終わる傾向があります。
「近所の子より小さいみたい」「幼稚園でいちばん前」というだけで、「うちの子は小さいのでは」とお母さんは感じるようですが、調べてみると実際にはそれほど小さくないことが少なくありません。
本当に問題なほどに小さいのかどうかを客観的にみるために、まず必要なのは正しい計測です。
4歳までと思春期に急激に伸び、その間の伸びはなだらかであるというパターンは、個人差があるとはいうものの、ある程度共通です。
なぜかはすべて解明はされていませんが、乳児期の成長にかかわっているのが栄養、そして思春期の成長に大きくかかわるのが性ホルモンで、成長ホルモンと甲状腺ホルモンがすべての時期にかかわっていると考えられています。
もっとも爆発的に伸びる赤ちゃん時代は、実際には成長ホルモンの血中濃度は高いのですが、軽症から中等症の成長ホルモン分泌不全の赤ちゃんでも、この時期には伸びること、成長に重要な役割を果たすインシュリン様成長因子I(IGF-T=ソマトメジンC)の血中の濃皮が赤ちゃん時代には低いことなどから、赤ちゃんの急激な伸びには成長ホルモンが重要であるとはいいがたいのです。
思春期前に低身長の子の多くは、3歳までにすでに低身長になっており、それらの子どもの乳児期はミルクの飲みが悪い、離乳食が進まなかったなどの場合が多いことから、乳幼児期の発育には、栄養が関与していると推測されます。
乳幼児期の発育が栄養であるといわれると、食の細い子の親にはつらい話ではありますが、結果的にこの時期の「飲まない・食べない」が低身長を招くことがあるのです。